夏の記

夏の旅のプロローグ。想定外も「アリ」。  夏の湯宿は、山の緑の陰影も深くなり、よりいっそう「隠れ湯」の風情が増す。今回の宿も高湯温泉の天空の宿「花月ハイランドホテル」だ。予約はすでに前回の春の旅の帰り際に入れてある。宿まで通じる夏の山道を登る。  当初の予定では、宿に入る前に「磐梯吾妻スカイライン」を通り「吾妻小富士」の火口まで足を延ばすつもりだったが、この日はあいにくの空模様。雲は重く垂れ…

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春の記。

あけぼのの季、いにしえびとが表現したまんまの情景を訪う。  「春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山際、少し明かりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる」…日本人には馴染み深い古文の一節。これをそのまま絵に映し取ったかのような景色を堪能できるのが、福島県高湯温泉花月ハイランドホテルだ。  山萌の季はやや過ぎてしまったが、今回の旅のお目当ては、五月の香風とあけぼのどきの「紫だちたる」景色。前回の雪景…

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冬の記。

ぼってりした雪道を登り切きったところの宿に出会う。  温泉通の知り合い達に「福島で一番眺めのいい温泉宿は何処?」と聞くと、しばしば返ってくるのが「高湯温泉の〝花月ハイランド ホテル〟」と言う声だ。  高湯温泉といえば、薬効効果の高い硫黄泉で、深い山間に湯けむりが立ちのぼる秘湯というイメージだったが、眺めというキーワードが絡んでくるのは自分の中ではちょっと意外。さらに、彼らからの情報によれば、…

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